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2011-12-23(金)

4狼と子羊

この日を境に俺の生活がぐるりと変わった。

決してお金に余裕がある訳では無い状況から一気に大富豪の家庭に変わり
金銭感覚がぶっ壊れそうになった。

ゴミ箱にダイヤが落ちていたり何万もの小切手破り捨てたり。
少し、いや物凄くおかし過ぎる。

夕食も朝食も、間食までもが最高級フランス料理。…もう既に舌が麻痺してる。


それでも彼(名前が未だに分からない)との接点も無く、それっきりだった。
別に今までの生活と殆ど変わる所も無く、普通に暮らしていた。

…この後何かあるのかもと少し期待をしていた維持分が馬鹿だ。そんな事ありえないのに。



「ちょっと良いか?」


俺を買った此処の主人が顔を出す。あの名前を知らない彼のお父さんにあたる人だ。

けっこう気難しい人で仕事に関しては自分の意思を貫き通す人らしく、
この人のお陰でこの会社を大きく出来たとか何とか。


「ここの家庭教師兼、家事係である佐藤さんだ。色々分からない事が有ったら聞け。」


それを一言言い残し去って行ったが、その後取り残された佐藤さんと俺は呆然としていた。

「よろしくお願いしますね。」

にっこり微笑んで挨拶する砂糖さんを眺める。眼鏡が似合う、「大人」って感じの印象だ。
今、彼の眼鏡の中に俺が映っているのかと思うと、急にドキドキしている自分がいた。


「こ…、こちらこそ…日下部です。」
「あぁ、それと洗濯物はどうされますか?まとめてでもよろしいでしょうか?」
「えッ?ーーー大丈夫です」

洗濯物?いきなりそんな事聞かれると思わなくてビクッとしてしまった。

「久遠様は潔癖症なもので、ついつい癖付いてしまいまして。」
(久遠…?)

「久遠様はさっきの旦那様の一人息子でございます。」

声に出していないのに見透かされてしまった…。
彼の小悪魔的笑顔で度sという本性を露わにしていた。



「久遠様の事をお教えいたしましょうか?
まず、キレると物に当たります。嬉しい時は無表情で頭をかきますよ。
そして甘い物が食べたいと、「腹が痛い」って言います、甘党なのでね。」


「…凄いですね。」
「久遠様は分かりやすいからですよ。それに比べて、ご主人様はそういうのが分かり難いので苦戦します。」

佐藤さんはそういうと優しい笑みを浮かべた。彼にとって自分の仕事は本当に楽しいんだろう。

凄いなぁ…。

ちゃんと自己紹介していなかった様だが、俺は高校2年で頭は割りと良い方だ。
もう直ぐ自分のなりたい職業をしっかり決めなくてはならないのに、ひとつも思いつかないのだ。

だから、彼が楽しそうに仕事をしているのが格好良く見えた。



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00:47  |  狼と子羊  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2011-12-21(水)

3狼と子羊

はじめは意味を理解出来ずにいたが、
柔らかい感触を感じて、やっとそれが彼の唇だと分かった。

体が火照ってしまうようなキスが自分の全身を襲う。
思わずその体を押してしまう。怖いと思ったからだ。

体が本能で悟ったのだと言えるだろう。
怖いと思っても体は熱く求めている自分に気付いていなかった。

彼はゆっくりと柔らかいそれを離す…。

「言っておくが、ただ置いておく訳じゃないそれだけは覚えておけ。」

そういうとドアを乱暴に閉めて出て行った。その時の表情は硬く険しいものだった。
…今押しちゃったからかな?




------あ、それより。名前聞くの忘れてた。

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01:12  |  狼と子羊  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2011-12-17(土)

2狼と子羊

*一覧*


「正確に言うと買わされたのだがな。」



……買わされた---.



フリーズ状態が続き、気がつくと彼は自分に迫ってきている。その瞳は美しすぎて直視出来そうも無い。大人の香りが鼻の中に入っていく。

そして、不思議と見入ってしまう自分がいる。




『ん…』


*一覧*

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17:44  |  狼と子羊  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2011-12-17(土)

1狼と子羊

*一覧*





『お前は結局必要の無い人間なんだ。』


母親から言われ続けてきた言葉が脳裏をよぎる。
何でもできた兄とは違い成績も運動もまじまじだった俺は、結果重視の母にとっては重荷でしかなかったのだ。

期待にこたえようともした。でも…その成果が実る事は無かった。
勿論俺の気合や努力が足りないのも分かっている。

でも兄と俺は違う。全くもって別の人なのに比べられるのは苦痛でしかなかった。
そんな言葉がよみがえり、急に水に沈められたときのように息苦しくなった。




----!?




目が覚めると見慣れない部屋で、見慣れない着物を装着している。

ここは豪邸なのかホテルなのか?
そしてなぜ俺がこんな部屋にいるのか、全く持って理解できない。




確かさっき起きた時は家だったはず。
……あっそうだ、そのまま新聞を取りに家を出て…
それからの記憶が一切無い。


「起きたか?」

急に渋い声が聞こえて鼓動が早まる。心臓にまで染み渡る完璧すぎる声。
心臓の高鳴りが尋常ではない。



「お前、日下部 陽(くさかべ よう)、合っているか?」
「え、……ハイ。」

この人に見覚えも何もない。なぜ名前を知っているのだろう?
それにしても整った顔立ちに余計鼓動が高くなる。
モデルとも思わせるその顔はまっすぐ俺の方を向いていた。














「お前を買った。」












…は?



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01:37  |  狼と子羊  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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